今買いの会社設立
スタートアップ期に、どれほど理想的な経営チームを組成したつもりでも、ベンチャー企業が急成長期に入ると、事業内容の多様性、成長スピード、さらに従業員の急拡大になじまない取締役が出てこざるをえません。
高い変革のテンションに一丸となって耐えるために、場合によっては、ともに苦労した創業時の取締役を解任することも、トップの重要な任務になります。
起業家はそれまで温めていた製品やサービスを世に問うのですから、最初の製品はある程度ヒットするのは当然です。
しかし、次と出てくる競合相手に打ち勝つためには、既存製品の継続的改良・改善を行い、品質、価格、納期、サービスで競争優位に立たなければ、急成長を維持することはできません。
急成長期には、社内全体が攻めの状況にあり、売上規模が拡大することのみに注力しがちです。
しかし、この時期にはバランス感覚が不可欠であり、日常的な経営実態の把握が現実から遊離すると、一気に企業崩壊が到来します。
攻めのトップと守りの管理システムの構築が不可欠です。
トップの計数感覚と守りの要としての番頭の存在が、この時期、特に重要になってきます。
利益とキャッシュフロー(営業活動の結果残る資金)に常に関心を持たねばなりません。
欧米の先端技術型ベンチャーの起業家は、急成長に確信をもつと、必ず財務責任者を企業の中枢に採用します。
急増する運転資金、活発な設備投資、新製品開発のリスクに対応するためです。
急成長期は、スタートアップ期とは比較にならない資金が必要になります。
将来の必要資金を予測しながら、タイミングのよい資金調達を行うことが欠かせません。
本来、資金調達は資金需要から生まれるものですが、過大な資金調達が、本業で急成長しているベンチャー企業の経営を誤らせることがあることを忘れてはいけません。
急成長期に入り、急激に従業員が増加すると、スタートアップ期には常に顔を合わせていた、起業家と末端従業員との距離が遠くなり、コミュニケーションが希薄になってきます。
だんだんと階層型組織ができ始めるのです。
そうなると、人がコンピュータを通して人を管理するようになります。
顧客との接点は末端の従業員にあるので、トップが“裸の王様”にならないように、常に情報の断絶が起きない方法を考えておく必要があります。
ベンチャー企業の事業や製品などの社会的認知が確定し、株式公開を果たし、収益力がもっとも安定する期間です。
ただし、次なる摸索をしないと、寿命が尽きるベンチャー企業のモデルケースになってしまいます。
市場の成長ステージや競合会社との関係にもよりますが、次なる十年間の柱をつくり上げる時期です。
既存事業の成長余力がある段階では、だれもが現状のさらなる深耕策を考えるものですが、もっとも優秀な人材を新成長分野に振り向ける戦略の採用こそ、トップの役割です。
安定成長期直前に社会的存在感ある会社をめざす企業は、株式公開を果たしていることが多くあります。
株式公開は、「自分達の会社」から第三者の株主を意識した、益率を重視しなければならないのです。
従業員も多くなり、成長が鈍化すると、仕事のうえで新たな挑戦チャンスが少なくなります。
内部パワーもダウンしはじめます。
新卒が、三年経っても同じ仕事をしていることが増えてきます・大学院など社外組織を活用した人材育成社内ベンチャー発足。
による挑戦意欲の醸成手法などを導入しなければなりません。
急成長期の経営チームはガムシャラでもかまいません。
しかし、彼らの過去の経験が経営基盤変革期には、逆に変革の足を引っ張ることが多くなります。
トップは、成長期に新規採用した従業員の中から、次世代を担う新経営チームを育成・組成することが不可欠です。
非情さが必要な時期でもあります。
巨大な市場が開けるとき、自社の力だけで成長するか、アウトソーシングを積極的に活用するかの決断が必要になります。
世界のスピードに悠とついていくためには、提携・資本参加・合併などをふくむ企業買収を積極的にすることが不可欠です。
企業体質自体の変革が求められる時期です。
ベンチャー企業が成長後期から衰退期に到達する前の安定成長期に、新成長期に移行する必要があります。
このためには、新規事業を生み出す社内起業活動[社内ベンチャー]を活発にしなければなりません。
しかし、慣れ親しんだ既存事業と異なり、新規事業は次のような特性をもっています。
さて、このような新規事業プロジェクトが、既存の事業とどのような関係になっているかを新規事業領域は、技術・製品開発領域、領域の三領域をいいます。
市場開発領域、多角化既存事業では、新規の仮説は少なく、市場に対する知識も豊富ですから、市場を深く耕し、シェアを拡大するリスクはそれだけ少なくなります。
逆に、その他の領域は、すべてリスクは高く、高いリスクに挑戦するという意味では、独立ベンチャーとまったく変わりません。
さて、多くの企業で組織活性化のために現在実施されているトということができます。
これは、「従業員が会社に事業を提案し、承認を受け、会社から投資や融資を受けて、独立会社や特別な事業プロジェクトをつくり、自己完結型の経営をする。
本社は独立会社や事業プロジェクトを、ベンチャーキャピタル的方法で管理する」と定義することができます。
企業が社内ベンチャー制ニッチ(隙間)市場で、本業の基礎技術から遠い事業を対象にしています。
四~五年で年商百億円になると予測できるような大きい新規事業は、社内ベンチャーの対象とはしないことが多いようです。
自己の能力を生かしながら、成長の可能性のあるニッチマーケットや革新的な経営手法を活用して既存市場に挑戦するという意味においては、社内ベンチャーも独立ベンチャーも同じです。
大きく異なるのはアウトソーシングの活用状況です。
資金・人材・設備、さらに生産・販売など、社内ベンチャーはその多くを社内のインフラを活用し、独立ベンチャーは外部第三者のインフラを活用することになります。
両者の相違点と類似点を整理すると、企業規模が大きくなり、収益構造が安定してくると、ベンチャー企業の設立当初のように、一丸となって燃えるような情熱は失せてきます。
企業規模に関係なく、「アントレプレナーシップ(起業家精神)」をもち続けるには、常に組織全体が、イノベーションを継続する風土をつくる必要があるのです。
この最適な手法が社内ベンチャーです。
社内ベンチャーの三大目的は、能力ある人材をさらに生かした組織活性化、埋もれた資源の有効活用、新事業分野へのすばやい進出です。
社内ベンチャーを生かすためには、次のような条件が不可欠になります。
社内ベンチャーが自立するには、いかに早いうちに会社インフラから脱皮するかが重要です。
多くの無コスト支援を受けながら単年度黒字に転換できたとしても、本社に依存する体質のままでは、社外に出たとたんに赤字になってしまいます。
ベンチャー企業が成長するには、設備資金、開発資金、営業資金などの資金が必要です。
各成長ステージごとに、どんな資金が、どの程度必要かを予測し、事前に最適な資金調達をしなければなりません。
自社の実態を把握する情報・コミュニケーンヨンシステムが企業の神経系統だとすれば、資金はまさに企業にとって循環器系統(血液)ということができます。
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